相続に関するセミナー及び無料法律相談会の実施(次回 2017年3月4日(土))





2017年(平成29年)2月12日(日) 14:00から17:00まで、ウインクあいちにて、愛知県弁護士会主催の、

相続に関するセミナー及び無料法律相談会


を開催いたしました。 愛知県弁護士会相続専門チーム所属の熊田憲一郎弁護士を講師として、市民の方向けに、相続についての基礎知識や遺言の書き方、種類について、講義を行いました。

預金についての平成28年12月の最高裁判を前提とすると、相続の分け方が大きく変わることなと、最新の動きを踏まえての講義に、参加者も熱心にメモを取って聞いていただきました。51名の参加をいただきました。

今回は初めて、ミニ相談とミニゼミも行いました。

そんな法律相談とまでではないけれど、5分、ちょっと聞きたいという方に、開催前30分の時間を利用して、弁護士がそれぞれ受講者の方の席まで伺って、質問を受けるミニ相談。20人以上の方からの質問をいただきました。 また、セミナー後、無料法律相談会を実施し、26組の方からのご相談を受けさせていただきました。

この無料法律相談の間の待ち時間を利用して、ミニゼミを実施しました。遺言、寄与分その他いくつかグループに分かれていただき、弁護士を囲んで質疑応答していただきました。他の方の質問も聴きながら考えるいい機会になったと、好評でした。


次回は、2017年3月4日(土) 13:30開場、14:00開始で、また、相続の無料セミナーを行います。



開場は、ウインクあいちです。
相談の無料法律相談会も行います。



詳しくはこちらで。
たくさんの方がお越し下さるのをお待ちしています。
JUGEMテーマ:相続

親から生活費をもらうと、特別受益として、その分、もらえる相続分が減るのでしょうか?



民法903条1項では、全ての贈与ではなく、「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与」を特別受益の対象となるとしています。

相続税法のように亡くなる前の3年間の贈与のみ考慮されるのではないので、亡くなるより30年前の結婚の際の贈与についても、特別受益の対象となるのです。



それでは、この結婚の際の贈与として、どういうものが、特別受益の対象となるのでしょうか。



今まで、広く、生活費の問題として検討してきましたので、「生計の資本」にあたるかを考えてきましたが、結婚の場合は、民法も独立して定めています。


「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与」というのは、この条文の表現を分解すると、

〆О
⇒椹勹鐐
生計の資本

となり、民法は、この3つの場合の贈与を検討していることがわかりますね。



今回は、この〆Оについて、検討していきましょう。



東京家庭裁判所の裁判官が、調停をスムースに進めるために、いろいろな書式をつくっていて、その内容が、判例タイムズNo1418 2016年1月号に掲載されています。


このうち、 嶌О」として問題となる部分のQ&Aを抜き出しますと、次の通りです。



Q1 次のようなものは、特別受益に当たりますか?
◎ 結婚の際の贈与
A 持参金、支度金は金額が大きければ、一般的には、特別受益に当たりますが、結納金や挙式費用は、特別受益にあたりません。





これをみると、結婚の際の贈与については、
イ 持参金、支度金  → 金額が大きければ特別受益に当たる
ロ 結納金、挙式費用 → 特別受益に当たらない

と、その目的により、わかれています。



では、それぞれの言葉の意味を調べてみましょう。
(いずれも、大辞林 第三版です)


【持参金】結婚・養子縁組などのとき,嫁や婿ないし養子が実家から縁づく先へ持って行く金。

【支度金】準備や用意に必要な金。就職や嫁入りなどの準備に要する金。支度料。



結納金は、結納の際に夫側の家から、妻(ないし妻の家)に対し贈られる現金です。

挙式費用は、結婚式場等に払うお金のことですね。



まず、挙式費用が特別受益にあたらないとされているのは、何故でしょう。



挙式費用については、親の世間に対する社交上の出費であるという意味合いがつよく、特別受益ではないとされています。


挙式費用は、家や家具といった、今後、生活の基盤となるものではなく、
式場等に対し払うものであるから、遺産の前渡しという意味合いというよりは、社交上のものであるということです。



ただ、挙式費用を、親が直接式場に払い、親が主催しているという形ではなく、長男にに現金で渡し、長男の責任で挙式した場合は、特別受益に含まれるべきという考え方もあります(新版注釈民法27有斐閣202頁参照)。



しかし、親が、子どもに払ったか、式場に払ったかという、形式的な基準で、特別受益にあたる、あたらないが、決められるのには、若干、違和感を感じますが、こういう考え方もあるのですね。



要するに、遺産の先渡しをしたといえるのか、冠婚葬祭の儀式をおこなったのかということで、特別受益といえるかどうかを決めているわけで、挙式費用として支払われたのであれば、特別受益とはいえないということになります。




では、持参金、支度金が特別受益にあたり、結納金があたらないのは何故でしょう。




本来、結納金とは、10代という若いころに婚姻することがほとんどであった時代背景のもと、新郎家が新婦家に対し、本来、花嫁が婚姻時に身にまとう、帯や着物を贈るところ、その代わりに、花嫁の支度に使ってほしいという意味で、渡されるものです。


結婚式も親が挙げ、結婚相手も親が選んできて、花嫁の支度も親がするという時代背景です。


このうち、結納金は、夫側の家から妻側に対し、帯や着物を渡す代わりに、現金をわたすという、帯や着物などの結婚のための費用にあてるものでした。



これに対し、持参金は、妻側の家から妻に対し、妻の地位の維持のために持参させるものでした。


江戸時代では、持参金を、妻自身のために使ってもよいし、夫のために使ってもよいが、離婚する際は、夫が使った場合、妻に持参金全額を支払う必要があったのだそうです。



これらを整理すると次の通りになります。




持参金
→妻の親が、妻に渡す、家具や住居等の支払いのために持参する金銭

支度金
→夫の親が、妻(ないし夫婦)に渡す、
家具や住居等の支払いのために支度する金銭
 
結納金
→夫の親が、妻に渡す、帯や花嫁衣装を購入するための金銭





これらが特別受益にあたるかというと、、、



持参金や支度金は、夫婦の生活の基礎となる、家具や住居等の支払いにあてることが想定されているため、額が多ければ特別受益にあたります。


これに対し、結納金については、花嫁衣裳といった、挙式の際につかわれるものとして渡されるため、特別受益にあたらないとされていると考えられます。






ただ、結納金の意味合いは、現在は、あいまいで、実際は、新婚生活における家具や家電を購入するため、新婚生活のために使うという印象が強いように思います。



そこで、結納金=特別受益にならない


という形式的な分け方は、私は、良くないと思います。



結納金が実際どう使われたのか、どう使う目的で渡されたのかという実態をしっかりとみることが大事だと思います。


結納金といっても、持参金、支度金としての意味合いも含んでいるのであれば、その範囲において、特別受益になるというべきだと思います。



実態をみて、判断すべきということですね。



逆の見方をすれば、結婚の時に、結納金や支度金、持参金を、どのように使ったのか、ちゃんとつけていない人も多いと思うのです。



でも、これは、結婚から何十年もたってからの相続の時に、「しまった!」と思うことになります。



結婚の際に、こういうことをあいまいにして、お互いの家の間に不信感を生じさせてしまったというトラブルもよくあることです。



相続のため、というよりも、目の前の愛する新郎、ないし新婦のために、結婚式の費用、結納金、支度金、持参金の額、使い道、祝儀の額、お祝い返しの額等の明細をしっかりとつけておくことが大事だと思います。




それでは、次回以降は、その他の生活費に使った場合を見ていきましょう。





〜お知らせ〜

さて、このたび、全国に先駆けて、愛知県弁護士会において、相続専門相談を実施することになりました。

詳しくは、
こちら(愛知県弁護士会 相続専門相談)(←是非クリックしてみてください)
是非、ご相談ください。

なお、文責は、
管理人 (←クリックしてください)です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
JUGEMテーマ:相続


親から生活費をもらうと特別受益になるのでしょうか?


前回までは、特別受益の意味や、要するに幾ら以上なら特別受益にあたるのか、という話をさせていただきました。

実際、年間100万円未満なら、特別受益と認められにくい印象であるという話をさせていただきました。

逆に、年間幾ら以上なら特別受益と認められるという基準は、立てにくいという話もさせていただきました。



実際、実務上は、具体的にどのような目的で贈与されたのかを、目的に応じて考えられていると思われます。



東京家庭裁判所の裁判官が、調停をスムースに進めるために、いろいろな書式をつくっていて、その内容が、判例タイムズNo1418 2016年1月号に掲載されています。


このうち、「生計の資本」として問題となる部分のQ&Aを抜き出しますと、次の通りです。


Q1 次のようなものは、特別受益に当たりますか?
◎ 結婚の際の贈与
A 持参金、支度金は金額が大きければ、一般的には、特別受益に当たりますが、結納金や挙式費用は、特別受益にあたりません。


◎ 居住用の不動産の贈与・その取得のための金銭の贈与
A 生計の基礎として役立つような贈与であり、特別受益に当たります。


◎ 小遣い・生活費
A 通常は、扶養の範囲内であるため、特別受益には当たりません。また、遊興費のための贈与も、特別受益には当たりません。


◎ 新築祝い・入学祝い
A 親としての通常の援助の範囲内でなされたお祝いは、特別受益には当たりません。


◎ 学費(高等教育(大学等)を受けるための費用)
A 被相続人の生前の経済状況や社会的地位を考えると、相続人を大学等へ通わせるのは親としての扶養の範囲内と思われる場合や、共同相続人全員が同程度の教育を受けている場合には、特別受益にあたらないとされることが一般的です。
  留学費用も、同様の場合には、特別受益にあたらないとされるのが、一般的です。




これらの内容は、あくまで、一般市民向けのものです。


わかりやすく単純に記載しているため、必ずしも例外的場面も踏まえ、完全に正確に記載しているものではありません。


正確な意味で、一般化できないものだと思いますが、一つの参考になると思います。


このQ&Aを見てもお分かりの通り、金額だけで決めているということではありません。


金額だけというよりも、その支出した目的・必要性に応じて、親としての通常の扶養の範囲内のものか、そうでないものといえるかという基準で判断しているといえることが、ご理解いただけるのではないでしょうか。


普通のインターネット上の情報は、これくらいでとどまっているのですが、結局、ここがみなさん、悩まれていらっしゃるところだと思います。


そこで、次回以降、さらに、それぞれの項目について、掘り下げて考えていきたいと思います。





〜お知らせ〜

さて、このたび、全国に先駆けて、愛知県弁護士会において、相続専門相談を実施することになりました。

詳しくは、
こちら(愛知県弁護士会 相続専門相談)(←是非クリックしてみてください)
是非、ご相談ください。

なお、文責は、
管理人 (←クリックしてください)です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。